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その説明ですんなりと納得したクラスメート達は、容姿端麗な転校生に興奮しつつも少しずつ私語を無くして行く。
「あ、そうだ」
と、そこで。メフィストがキョロキョロと周囲を見渡し始めた。そう、まるで何か―――――誰かを探すように。
嫌な予感がした俺は、未だに噎せながらも顔を俯けて空気と同化するべく試みる。俺は空気だ!空気になりきるんだ!!
「皇紀ー、祐也どこー?この高校にいるはずなんだけどさぁ?」
「祐也?祐也なら、ほら。そこの席で噎せてんぜ?」
―――――え?
そう言った皇紀の視線は、窓側の後ろから二番目に座る少年―――――つまり、俺へと向いていた。
思わずギクリと身体を揺らし、目に見えて動揺する。
「げほっ!」
更に、俯けていた顔を上げて咳を一つ。
その声に反応したメフィストがこちらを見る。そして、
「祐也、みぃぃぃつけたぁぁぁああ!!」
あっさりと見つかってしまった。やはり質量の壁は越えることが出来なかったようだ―――――ではなくて!!
「おいコラてめぇ祐也!!」
物凄い勢いで机を掻き分けながらこちらへと突き進んでくるメフィスト。
その眉はキッ!と吊り上がり、険しい顔をしているが、イケメンだからか妙に様になっているのが少し悔しい。イケメンは爆発すればいいと思う。
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