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ぼんやりと、どこか現実逃避気味にくだらないことを考えていると―――――
「おりゃああああああっ!!」
「はうっ!?」
―――――一閃。ふと気付いたら、俺は、一太刀の元に切り伏せられていた。
メフィストの奇行にざわついていたクラスメート達が、シンと静まる。
「また、つまらぬものを斬ってしまった……」
擦れ違うようにして通り過ぎ、俺の斜め後ろで決めポーズを決めているであろうメフィストの台詞。
妙な静けさの中、しゃりりぃぃぃんと涼やかな音をたてて、メフィストの手の中にある獲物―――――ヘアカット用の鋏がその刃を閉じる。
そして、同時に俺の頭からハラリと落ちるものがあった。
そう、髪の毛だ。
「……なっ!?」
慌てて頭を触る。すると、顔を隠すために長く伸ばしていた黒い髪が短くカットされているのが分かった。
「ったく、まだ眼鏡はいいぜ?似合ってんから……でもなぁ!?髪は、その長くて顔を隠す髪は許せねぇ!!祐也の顔は隠すもんじゃねーんだよ、曝け出せ!!というか、見せろ!!!!」
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