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四時間目の授業の終了、そして昼休みの開始を告げる鐘が鳴り響く。
俺は、英語の教科担任が教室を去ったのを確認してから財布の入った鞄を片手に席を立った。
行き先は、勿論購買だ。コロッケサンドは結構人気なので、売り切れない内に早く買いに行かなくては……。
「根暗君、いつもの所だからな?」
後ろに座る兎丸に嘲笑を浴びせられながら、俺は足早に立ち去る―――――筈だったのだが。
「へい、へーいへい!ストップだぜ、そこの兄ちゃんよぉ!!」
「ここは通さないわよ!!」
「ウェイト!!祐也、ウェイト!!」
突如として俺の前に立ち塞がった馬鹿三人。
中腰で前方に並び、ささっ!と軽やかなフットワークを披露している。
馬鹿なのか。あ、馬鹿なのか。そうか、馬鹿なのだなよく分かります……って分かるか!!
「……っ!」
俺は溜め息をぐっと堪えて、表情を隠すために俯いた。
「す、すみませんがそこを通してもらえませんか?」
「やーだね!!」
おどおどと情けなく震える声で頼むが、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべた皇紀にバッサリと即答される。俺は、ぎゅっと手を握り締めた。
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