嵐を呼ぶ山田

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「え、あ……えぇ!?」 気が付いた時には、俺は捕まってしまっていた。 「ふふふ、ゆー君!あくまで嫌と言うのなら、無理矢理連行しちゃうんだから!」 フィリアと皇紀に両腕を掴まれ、ずるずると引き摺られるようにして歩かされる。 ―――――うあああ!皆が近くに……というか、フィ、フィリアが俺と腕を組んで……うあああああ皇紀邪魔だ!! 目まぐるしい展開に、俺は頭が混乱して半ばパニックとなる。 そして、そのせいか、 「……ちっ!」 教室を出る直前、視界の隅で小さな舌打ちがされたことに俺は気付かなかった。 やっぱり使いパシ……タノミゴトって言えば昼食を買わされるってのが定番だろ!というメフィストの謎の自信と共に連れてこられたのは、俺がほぼ毎日利用している購買。 「……よく分かりましたね」 見えないよう、俯いて眉間に皺を寄せる。しかし、悔しいがメフィストの言う通りなので俺は大人しく列へと並んだ。 すると、後ろにぞろぞろと皆が着いてくる。くっ、中身はともかく見た目は美形集団と共にいれば、必然的に目立ってしまうではないか!
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