嵐を呼ぶ山田

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注目を浴びないかヒヤヒヤすること数分。 「この眼鏡に加えて髪を伸ばして顔を隠していたのか……ふむ、メフィストいい仕事をしたな」 「だろ?俺も、自分でも上手く切れたと思ったし!」 「自画自賛乙ー」 「黙れ皇紀。変態は黙って七十九回スクワットしてろ」 「してろなのだー」 男性陣が後ろでわいわいと馬鹿な会話をしている中、俺は顔を赤くしながら冷や汗をかくというある意味芸当を成していた。 「……ル、ルクリファスさん?」 「なぁーに?ゆー君?」 輝かんばかりの笑顔を直視して、思わず視線を逸らす。 ま、眩しい……天女が、天女がここにいる! ふわりと蕩けるような笑顔は、もう女神と呼んでも過言ではない域に達している……ではなくて! 俺は、何とかフィリアの顔を見ないようにして、その下―――――俺の腕辺りへと視線を向ける。
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