嵐を呼ぶ山田

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「お、メール来た」 と、そこで後ろで何やら最先端の携帯端末を弄くっていたらしいメフィストが声を漏らした。 「来たのだー?」 「やっとか」 「なんだよ、お前らばっか分かるように話しやがってよぉー……お願い、オレを一人にしないで!!」 未だに無駄口を叩きながらも先程よりかは幾分口数を減らしていることから、他の面々もメフィスト宛に届いたメールに注目しているらしいことが分かる。 当然、僅かばかりだがこの状況を打破する手掛かりとなる可能性があるので、俺も機を逃さんと言わんばかりに必死にその内容に耳をそばだてる。 メールの内容を読んでいるのか、メフィストは数秒の沈黙を経た後に再び口を開いた。 「アイツラ、ここに来るってさ」 その言葉と同時に、廊下の遥から地響きが聞こえてきた。 「……え」 ドドドドドッ!と、低く唸りをあげている震動を身体全身に浴び、俺はたらりと冷や汗を垂らす。 ―――――何だこれは。足音に聞こえるのは、俺の気のせいだよな……?
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