嵐を呼ぶ山田

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「ああもうゆー君ったらなんでこんなに可愛いのかしら!赤く染まった頬!わたわたと慌てる仕草!恥辱に堪えながらキツく瞑る目!もう本当に可愛い!ゆー君マジ萌えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 フィリアの叫声……いや、歓声が購買の設置されている廊下の片隅に響き渡る。 当然この場には俺達以外の生徒も存在するわけで……流達の登場時から呆気に取られていた彼等は、フィリアの歓声により更にその目を丸く見開いた。 ―――――く、このままでは無用な注目を浴びてしまう! それは、一般人に埋没し、物語なら主要キャラ達に影響を与えないモブキャラになることを望んでいる俺にとっては回避したい事態である。 俺は、同性のメフィストにお姫様だっこをされているという羞恥極まりない状況ということを忘れ、事態に収拾を付けるべく頭をフル回転させる。 ―――――今現在、フィリアは言い方は嫌だが俺達の、その……絡み、を見てバーサクモードとなっている。 では、単純にメフィストが俺を降ろし、萌えも何もない普通の状態に戻ればいいのでは……? その案は、フル回転中の頭により勝手に棄却された。 ―――――それだけでは、フィリアは収まらない。少なくとも前世……テリアにいた頃はそうだった。
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