嵐を呼ぶ山田

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すっかりすねかじり坊っちゃまキャラ的立ち位地がしっくりと来てしまっているイケメン、兎丸がきらびやかとまではいかないが、派手で高そうな時計を確認する。 「さっさとやって帰ろうぜ?今日は新しい腕時計買って、車を品定めしてから夜はデートなんだよ。あ、あと修理に出してたカメラも受け取りに行かなきゃな」 2W1C+C揃い踏みか!金持ちの道楽すべて揃ってるじゃないか……もういい、すねかじり坊っちゃまキャラはもう充分分かったからそんなにアピールしなくてもいい……。 心中でツッコミを繰り返し、そのせいで疲れてしまい項垂れた俺を見て、ジャイアニズムガキ大将は額に青筋をたてながら笑みを浮かべて頷いた。なにこれ怖いのだが。 「よし、じゃあもう場所変えないでさくっとやっちまうか」 そう言い、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら俺に近付いてくるジャイアニズムガキ大将。 「…………っ!」 勿論イジメられっ子のフリをしている俺には、ただ蹴られ殴られるという選択肢しかない。真実はいつも一つ並の揺るぎなさだ。 「先ずは、ショウリュウ拳からの天翔ドラゴン閃コンボだな」 いや、それは先ずはどころか後に続きませんから。 きっと普通ならそのコンボは一発KOですから。くっ、もう本当にヤバいぞ!どうしよう助けてメフィえもーん!
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