***1***

2/14
304人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
………朝のにおいだ 擦れたシーツが肌を撫でて タバコの匂いが広がるスウィートホテルの部屋 目を開けると、夜隣で寝てた男が シャツをバサッと広げて袖を通す 「ぁれ…帰んの?」 掠れてる声に反応した男は 振り返って私ねおでこに唇を押し当てる 「仕事、あるから…」 「…そーなんだ」 「楽しかった、また会えたら会おうね」 札束をバサッて置いて 部屋を出てった男 乱れた服は、夜の行為のしるし ヴィトンの財布に盛られてる札束は 色んな寝た男からもらったしるし 「……てかあいつタバコ吸いすぎ」 灰皿には山盛りの吸い殻 …あいつ肺真っ黒なんじゃないの? 「・・・…今日なにしよっかな」 ハル 20歳
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!