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乾いた音がした直後 ぶたれた頬が熱い… ふ…っと上を見上げると アツシの目に 溜まるに溜まった涙が 私の瞼に落ちた …アツシが…泣いてる… 「…ごめん・・・っ」 正気に戻ったみたいに おっきい手が私の頬を包んで おでこをこつん…って合わせる 「ハル…ごめん・・・!!」 叩かれた痛みよりも 彼の痛みが胸の奥に突き刺さって 痛い、よ… 誰よりも、心配してくれて 誰よりも大事にしてくれた君を ここまで…追いつめた 私…最低だね 「…酷いことして…ごめん・・・っ…」 アツシの恋は そう簡単にばいばいできないこと これまで、ひとりの女を想って でもその人には大切な人がいて 少女マンガみたいに はいサヨナラなんて アツシはできないはずなのに… 今やっとわかって 私だけ… わたしだけわかってなかったんだよね
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