***last***

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アツシside 小さな手が 俺の胸に触れて 3回くらい、揺すられて目覚める ふらふらしてるハルを支えようと 肩を持つと ハルの体がスゴい熱くなってた 「…ハル…?どした…?」 ふらふら揺らぐ瞳が 苦しいって言ってる 「…熱か」 首の痕はもうすっかり消えたのに 頬は消えるどころか痕は酷くなるばかりだった 大きな救急箱から、風邪薬を探してたら よろよろしながら「私…帰る」って言った 「車で送るから待ってろって…」 腕を掴んだら ポキンって折れそうで 思わず抱き抱えてしまった 「ていうか治るまでずっと俺んちにいろよ」 気持ちを伝えられたからこそ言える言葉で ふらふらしてるハルを抱き抱えてるのは 本当に幸せな事だった ナツよりも もっと もっともっと そばにいたい もっとそばにいて こいつをずっと 守ってやりたいって 思ったんだよ 少し指先で触れただけで… 「イタッ」って たったそれだけでも 倒れてしまいそうになってる 「痛い…?」 そう言うと 掠れ気味の声で「痛い…」って言った 「…ここに、いろ…・・・」
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