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地下にむかう階段を降りながら
私が行く店地下ばっかりだとふっと笑う。
コロン
扉を開けると迎えてくれる心地よい鐘の音。
「裕美ちゃんいらっしゃい
いつものでいい??」
優しく笑ってるのはここのオーナー。
いろいろ呼び名はあるみたいだけど、
私はいつもボスと呼んでる。
「うん。やっぱボスが作るサイドカーが一番きく」
けらけらと笑いいつもの席に座る。
バーにとっては早い時間だから貸切。
ボスも貸切。
あと1時間は2人でいれるかな。
ボスがシェィカーを振る姿を見つめる。
澄んだ鼈甲色のカクテルが目の前に置かれ、それを掲げる。
一気に喉を潤す。
あー幸せだっ!!!!
「本当はそんな呑み方してほしくないんだけどね」
ボスはそう言いながら2杯目のサイドカーと、ピスタチオを私の前に置く。
ごめんね、ボス。
ボスのカクテルはこの街で一番。
「何も食べないで…身体壊すよ??」
初めてだったの。
そんな心配そうな眼を向けられる事が、
初めてで、苦しかった。
それが3年前。
安月給なのによく通ったわー。
その功績(笑)で
頼まなくてもピスタチオと、
限界1歩越える分のお酒が出てくる。
私も自分がどれだけで酔うのか分かんないのに、ボスはすごいなぁ。
それからボスはビールで、私は3杯目のサイドカーで乾杯した。
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