第二章 【帳(トバリ)】

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幌の屋根のジープなど、山の寒さを知らない都会人の浅はかさである。 震えながら真っ暗な我が家へ、自然と小走りになる。 玄関の鍵… ‼ 開いている。 自問自答。 閉め忘れたか? いや、一人暮らしに慣れないがゆえに、なおさら施錠の記憶は確かだった。 思わず身構え、周囲を警戒する。
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