第一章

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あの事件から半年、ミリムは今の職場に大分馴染んでいた。 長い髪を後ろで結い、長い髪の束を垂らしている。 ミリムが今働いている職場は、昔の開発技術を買われて家電製品開発を行っている会社で働いている。 今日の仕事を終わらせ、ふぅと一息ついて椅子の背もたれに体をまかせ、ロケットペンダントを開く。 中には■と最後に撮った写真が入っていた。ミリムはそれを見て黙祷、その後軽く微笑んでペンダントを閉じる。 「先輩、今帰りですか?」 と、ミリムの所に一人の青年が寄ってくる。 彼の名は『イスカム』ミリムより先に会社で働いているが、ミリムの技術を尊敬して先輩と呼び敬語で話している。 「ああ、そうだが…今日もか?」 「はい!是非護衛をさせてください!」 ミリムは慣れた様にイスカムに問い、立ち上がる。ミリムがここで働くようになって数日が経った時に、イスカムはミリムに「先輩の護衛をさしてください」と頭を下げて来た。 ミリムは当然断ったが、イスカムが折れずミリムは仕方なく護衛を頼んだ。 話を聞くと、イスカムはここに来る前は機械街の兵士をしてたらしく、腕には自信があるらしい。 ミリムはふと外を見ると、空が橙色に染まっていた。 「少し寄り道するが、構わないな?」 「はい!どこまでもついていきます!!」 ミリムの問いにイスカムは元気良く答え、二人は会社を出た。 .
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