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この世界の首都、『機械街』からかなり離れた、今じゃ世界では数少ない田舎の一つに俺はいた。
バシャバシャと水溜まりを気にせずに走る。天気は大雨。普段なら憂鬱になる天気なのだが、今は都合が良かった。
『■はどこだ!』
『現在人体探知機で探してます!』
田舎では滅多に見かけない武装した兵士が数人、上空には軍事ヘリか二台。機械街での捜索ならこれの数倍の数が無いと捜索が不可能だが、奴等は田舎だと油断しているのか、数が少ない。
「フン、馬鹿め……」
田舎には電波捜索を邪魔する物質は無いと思っていやがる。いい気味だ。ここは俺の実家だ、言い変えるなら俺の庭なのだ。身を潜めるのに最適な場所を知っている。
その場所は、俺が機械街で学んだ知識を活かして作った場所だ。その場所を知ってるのは俺を含めて2人。
しかし、その1人は機械街の軍事技術部門の人間で、捜索隊にはいない。言うなら、俺は見つかる事はないのだ。
俺は捜索隊の目を掻い潜ってその場所へ向かった………
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