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岩戸の先は、さっきの田舎とは正反対の空間がひろがっていた。
その空間には幾つものモニターがあり、近くには大きなソファー、テーブルなどの家具も配備されてあった。冷蔵庫もあり、中には数年はもつ加工食品がいっぱい詰めてある。
もしもの時を考えて、俺はここで半年は生きていける空間を作っておいたのだ。これを見ていると腹が減る……が、俺は先ずモニターの前にある鍵穴の前に立ち、コートのポケットから今じゃ珍しい鉄でできた鍵を差し込む。
すると、モニターの一つが起動してある画面が開かれる。
PASS『-----』
俺は手前にあるタッチパネル式キーボードにパスワードである五文字を打ち込む。
PASS『*****』
『確認シマシタ。システムを起動シマス…』
という機械音声と共に他のモニターが一斉に起動を始める。そしてモニターに映った映像は、田舎の各所の映像だった。先ずは神社周辺から始まりその付近の畑、田んぼ、家、目立つ道などの映像が各モニターに映し出された。
俺は密かに超小型カメラを田舎のあちらこちらに仕込んでおいた。しかも誰も気づかないような所にだ。
捜索隊は神社よりもかなり離れた所にいた。奴等は未だに電波捜索をしてるみたいだ。残念ながらここの壁には外側からの電波を完全に遮断する物質を埋め込んである。見つかる訳が無い。
「……フフッ」
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