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「フフフ……ハーハッハッハッハッハッハッハッハッハ」
俺は今まで抑えていた笑い声を一気に解放させ、高い笑い声を空間いっぱいに響かせた。
俺は勝ったのだ。世界の思い通りにはさせなかった。俺は唯一世界の思惑に逆らいきった人間だ!
今まで世界の命令に背いて生きている人間はいなかった……が、今ここに世界に背いて生き残った人間が誕生したのだ!
今一度モニターを見る。神社付近の映像に何一つ変わりはなかった。
「フフッ…俺の完全勝利だな」
十分に笑ったと思ってたが、まだ笑い足りないようだ。圧倒的にこちらの勝ちだ。お前達は油断し過ぎたんだ。それは自業自得であり、怠惰という大罪だ。
俺はモニターから離れて冷蔵庫の方に向かう。冷蔵庫の隣にはワインセラーが設置されている。俺はそこから一本のワインを取りだし、テーブルに置いてあるワイングラスにそれを注ぐ。
「俺はこの時の為にこんな高級ワインを買ったのかもな……」
ワインの芳醇な香りを味わい、口に含む。口に広がる独特の酸味と甘味。それを胃に送り込む。
「……最高だ」
俺は今までにない満足感を得ていた。身体の真から力が抜ける感覚に襲われる。こんなに心地良い気分は初めてだ……
俺が心から喜んでいる所に
「相変わらず、気が早いわね」
女の声が聞こえた
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