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「!?」
俺は咄嗟に立ち上がり、ミリムから離れようとする。
立ち上がり際にワイングラスを落としてしまい、中に残っていたワインが白い床に飛び散る。飛び散ったワインの様がこれからの俺を連想させた…
再び脚が震えだし、俺はその場でしりもちをついてしまう。
俺はミリムが俺にしている事が理解できないでいた。ミリムなら、俺の手を引いて逃亡の手伝いをしてくれると思っていたからだ。
そうだ、ミリムは世界に操られているんだ……そうだ、そうに違いない。じゃないとミリムが俺に銃を向ける訳がない。
俺は震える体を抑え、ミリムに説得を試みる。
「なぁミリム、お前世界に操られてんだろ?じゃないと俺にこんな事しないもんな?」
「さっき言った筈、これは私の独断の行動だって」
一瞬の間もなくミリムはそう言って銃を構え直す。
銃口の中に見える弾が見え、抑えがきかなくなった体が再び震えだした。
「お、おい…冗談だろ?俺はお前と自由になる為に………なのにっ!」
「私だって自由になりたいわよっ!!」
空間いっぱいに響き渡る叫び声が俺の言葉を遮った。
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