プロローグ

9/9
前へ
/17ページ
次へ
ミリムは顔を上げ、俺の方を見る。 俺は立ち上りミリムに近づく。そして、ミリムに小さな箱を渡した。 「これをどう使うかはミリム、お前に託す。だが、この箱はお前しか開けれない事を覚えていてくれ」 その箱は、どこにも切れ目などなく、どこから開くのかも解らない箱。 ミリムはそれを受け取り、小さく頷いた。 俺はそれを確認して、ミリムからできるだけ離れる。そして、両手を広げてミリムの行動を待つ。 ミリムは何も言わず立ち上がり、銃を構える。さっきよりはましになったが、まだ少し涙を流しながらトリガーに指をかけた。 トリガーを完全に引ききる前に、ミリムは口を開いた。 「また……■■■■」 発砲音でミリムの言葉は遮られ、銃弾は俺の胸を抉った。 ------------------ 『見つけたぞ!■……!?貴様ぁ!何て事をしてくれたんだ!!』 『これじゃあ、俺達が世界に殺されるっ!!』 『くそっ…くそおおお!』 空間に残ったのは、人々の悲しみの叫びだけだった…… .
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加