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ミリムは顔を上げ、俺の方を見る。
俺は立ち上りミリムに近づく。そして、ミリムに小さな箱を渡した。
「これをどう使うかはミリム、お前に託す。だが、この箱はお前しか開けれない事を覚えていてくれ」
その箱は、どこにも切れ目などなく、どこから開くのかも解らない箱。
ミリムはそれを受け取り、小さく頷いた。
俺はそれを確認して、ミリムからできるだけ離れる。そして、両手を広げてミリムの行動を待つ。
ミリムは何も言わず立ち上がり、銃を構える。さっきよりはましになったが、まだ少し涙を流しながらトリガーに指をかけた。
トリガーを完全に引ききる前に、ミリムは口を開いた。
「また……■■■■」
発砲音でミリムの言葉は遮られ、銃弾は俺の胸を抉った。
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『見つけたぞ!■……!?貴様ぁ!何て事をしてくれたんだ!!』
『これじゃあ、俺達が世界に殺されるっ!!』
『くそっ…くそおおお!』
空間に残ったのは、人々の悲しみの叫びだけだった……
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