あの頃は平和でした

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「失礼しました」 教室に戻る為に保健室を出る…… あの天然には 何だかんだで弁解したら…… 「大丈夫ですよ……多分信じてますから」 と言われたので、 多分っていうのは気になるが…… 俺の変態疑惑は晴れた……らしい… もう、そういうことにしたい…… その後、治療をしてもらい…… 「大丈夫なら教室に戻っても良いですよ?」 と、言われたので…… 気になる事などは聞けず…… 結局、教室に戻ることになり… 俺は現在進行形で教室に向かっている… そんな俺が…歩いているのは…… 教室まで一本道の廊下…… 勿論、その間は他の教室が存在する訳で…… (おかしい) 違和感……それを先程から感じている… その理由は……恐らく… 生徒が……先生が…いないことにある…… この学校は生徒がなかなか多い… なのに、誰もいないなんておかしすぎる いや、授業中かもしれない……と 思考を凝らすが…… 授業中なら……尚更、先生の声が聞こえる筈で…… 「オぅ、木村。どうしたんだ? もう、とっくに下校時間を過ぎてるぞ」 「えッ」 いきなり、声をかけられ驚いた……まぁ、振り返ると……豚だったんだが… 「豚か……」 「だから、教師に豚は止めろ……」 顔のケガのせいか、殴られなかった…… 「木村、大丈夫……じゃ、ないよな?」 豚が心配してる……珍しいな… 「麻酔効いてるから痛くない…」 「麻酔…… 自分から川崎の麻酔受けたのか?」 「気づいたら麻酔射たれてた」 「…………(笑)」 笑いを堪える豚…… せめて、心配させないように… 川崎先生、変人疑惑勃発を覚悟に 気を使ったのに……笑いやがった…… 「何で、笑ってんの?」 「少し…待て……(笑)」 豚が腹を抱えてずっと笑ってる…… ~数分後~ 「本当に麻酔射たれたのか?」 「射たれたよ…後、自分からじゃない」 「大丈夫か?その顔……」 「元から酷い顔ですから 全然、心配いりませんよ。」 ・・・・・・・へッ!? 最後に喋ったの俺じゃないぞ……… 「後ろだ……木村」 豚の呟きに促され、 後ろを振り返ると…奴がいた……。 サラッと透き通るような黒髪に 相変わらず…顔は整っているのに 無愛想というかなんというか…… なんか、めんどくさくなってきたので 簡単に言うと…… 倉木仁美がいた……。
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