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身を翻しかけて思い直したように立ち止まり、私に手を差し出した。
そっとその手を掴むと間宮君が優しく笑った。
空いてる手でまだ熱い頬を押さえながら二人並んで歩き出す。
「そ、そーいえばね、間宮君」
「ん?」
「荻くんが春休み、みんなでどっか行こうって」
「…荻?」
「うん」
「……」
沈黙が返ってくるので間宮君を見上げると、複雑そうな顔をしながら「いや…でもアレ冗談だよな…」と呟いている。
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