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翌朝。
家を出ると、昨日間宮君が言ってた通り、本当に雪が降っていた。
あの時みたいな猛吹雪じゃなくて、傘がいらないぐらいの粉雪が穏やかに舞い落ちている。
こんなに優しい雪でさえ、時には人の命を奪ったりするから怖いなと思う。
マフラーを巻き直して歩いていると、「奈緒ちゃん」と後方から声がかかる。
声を聞いただけで誰なのか分かってしまった。
ドキドキしながら振り返ると、いつもの黒縁メガネをかけて、青と黒のチェックのマフラーを巻いた高瀬先輩が立っていた。
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