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「ハハハ。大変じゃないよって言いたいけど、言える状況じゃなくてさ。
もうラストスパートだから」
「学校来るの、いつまでですか?」
「今月いっぱいかな。
あとは3月の卒業式だけ」
じゃあ、もう来月から学校で先輩を見ることはないんだ……。
自然と肩が落ちる。
「でも、柚の木にはたまに顔出すから。
やっぱ、おじさんのコーヒー美味しいしさ、眠気覚ましになるからね」
「いつでも来て下さい。
大学……合格するといいですね。
私、応援してますから」
そう言うと、先輩の掌がポンと頭に乗っかる。
「ありがとう」と優しく微笑む先輩を見て、胸がぎゅっと締めつけられた。
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