お気に入りの時間

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「も、もうっ……拓ちゃんっ……」 咲は真っ赤になった顔を隠すように、俺から顔を背けた。 ……可愛いな……キスくらいでこんなに赤くなっちゃって……。 想像以上に可愛い反応に、俺の中でうずうずとした感情が沸き起こってくる。 ……恥ずかしがるとこ、もっと見たいな……。 俺は体を傾けて、咲の顔を覗き込んだ。 「咲、すっごい真っ赤。」 「っ……拓ちゃんの……せいなんだから……」 「キスしただけだろ。」 「どうしていつも突然……するの……」 「仕方ないだろ?キスしたくなったんだから。」 そう言うと俺は、ソファーの背もたれに片手をついて、じり、と咲に詰め寄った。 「だけど、咲も悪い。」 「え……」 「そんな甘そうな唇して、俺のこと誘うから。」 「っ……私は、何もっ……」 「想像以上、だったけどな。」 くすっと笑って俺は、羞恥をあおるように咲の耳元に唇を寄せて、そっと囁いた。 「……甘いね。咲の唇……」 「っ……」
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