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オオカミと少年
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「オオカミが来たぞ~!」
長閑な牧草地帯に金切り声が響き渡る。
その叫び声に、村人達は 「またか……」 と言うような顔をした。
中には舌打ちまでする者もいる。
何故ならこういった叫び声を耳にするのは、日常茶飯事だからだ。
その度に作業の手を止められて、村人達は辟易とした気分にさせられていた。
「オオカミだ、オオカミが来たぞ!」
何事もなかったかのように再び干し草を束ねる作業をはじめた村人の前に、一人の少年が駆け寄って来る。
羊飼いらしい小柄な少年は、棒きれで羊を追い立てながら息を切らせて喚き散らしていた。
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