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「ふ…うぅ…っ!ふぇぇぇぇんっ!!」
堪えていたものが堰切ったように溢れ、愛姫は声を上げて泣き始めた。
その様子を見て輝宗の家臣達は小さな声で囁きあう。
「今まで良く堪えたな、大した姫君だよ…」
「見慣れている我々は兎も角、来たばかりの愛姫様にはトラウマ物だな…」
「普通なら乱闘し始めた時点で泣き出すだろうに…」
「お東様もこんな大事な日に政宗様と親子乱闘するんだもんなぁ…」
政宗と義姫の乱闘を一番間近で見ていた愛姫に同情を込めた視線を送る。
目の前で繰り広げられた凄まじい乱闘劇にはトラウマになるであろうと誰もが思った。
すると、
『まさ、むねさま…。政宗様は…ご無事ですかッ!!』
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