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愛姫が米沢へと来て政宗と義姫による乱闘騒ぎから一夜が過ぎた。
朝目が覚めた愛姫は昨日の今日という事もあり、少し居心地の悪さを感じていた。
「…三年以内に母になれ、か…―」
愛姫は昨夜の義姫との会話を思い出す。
『幼いがそなたが聡明である事に免じてこの場は引こう。
…そうじゃな、三年やろう。その間に男でも女でも構わぬ、政宗の子を産め。良いな?
それが出来ねば…そなたは用無し。即刻、三春へ帰って貰う』
『分かり、ました…。義姫様…』
三年。
義姫は三年以内に子を生せと難題を突きつけてきた。
その言葉が愛姫に重く圧し掛かる。
「…まだ、こんな体では子供なんて…―」
愛姫は自分のお腹に手を当てて俯く。
まだ愛姫の体は大人になりきっていないのである。
大人に近付いた証拠となる物もまだ来ていないのが現状なのだ。
「(…まだ、時間はあるのだから頑張ろう…。体だってきっとすぐに…―)」
愛姫はなるべく物事を前向きに捉えていこうと考え、取り組んでいく事にした。
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