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『政宗様のご容態は?』
『全身が軽い打撲程度で済んだそうだ。
今までのお東様との乱闘で体が随分丈夫になったらしい』
『愛姫様も災難だよなぁ、遠路遥々来て早々に見せ付けられたのが親子喧嘩だもんな』
ひそひそと家臣達が囁きあっている。
昨夜の乱闘で義姫に叩き伏せられた政宗は打撲程度の軽傷で済んだらしい。
慣れている自分達は兎も角、来たばかりの愛姫には酷な光景だったろうと話しているようだ。
すると、
『あ、あの…』
「ッ!?め、愛姫様!!」
小さな声が聞こえ家臣達は一斉に振り返る。
其処には愛姫が居て話し込んでいた彼らに話しかけるタイミングを窺っていたようだ。
「これはこれは愛姫様!どうなされました?」
「あの、あの…!政宗様が大丈夫か、お聞きしたくて…」
愛姫は其処まで言うと俯いてしまった。
いくら伊達の家臣達とは言え、米沢に来て日が浅い彼女には話し掛ける事でも緊張するらしい。
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