第3話

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「ふ、芙蓉…!」 「愛姫様!…一体どちらへ行っておられたのです?」 ぶつかってしまった相手は芙蓉だった。 どうやら、自室に居なかった愛姫をずっと探していたらしい。 「昨夜の事もありますし、なるべく自室に居て下さいと申した筈ですよ?」 「ご、ごめんなさい…!でも、私…政宗様が心配で…」 愛姫はそう言うと申し訳なさそうに表情を歪ませ俯いた。 それを見て芙蓉は膝をつき、愛姫の顔を覗き込む。 「謝らずとも良いのです、愛姫様。 ただ私や小春達の誰かに一言告げてからにして下さい。 皆、とても心配していたんですよ…」 「…うん、ごめんなさい」 「それで政宗様はどうだったのですか?」 「家臣の皆様が言うには軽い打撲で済んだって。 お会い出来ないか聞いたけど、今は政宗様は誰にも会いたくないって…」 「そうでしたか、それは残念で御座いましたね」 芙蓉はそう言うと愛姫の頭を優しく撫でる。
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