実は私

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不思議と怖くはなかった。 真っ暗な闇が辺り一面を覆っていても。 ふと何かを感じて上を見上げるとふわふわとした光る球体が降りてきた。 私は迷わずにソレに手を伸ばして…。 触れた瞬間。 …正直、細かいことまでは思い出せない。 だけど。 悲しみ、怒り、喜び、仲間、趣味、裏切り、絆、信念……‥。 たくさんの思いが記憶が。 私の中に流れこんで身体中を駆け巡った。 鬼の副長、土方歳三のすべてが。 『……よぉ、千歳』 「歳三、さん」 目の覚めるような浅葱色が目の前ではためく。 すべてがすべて納得がいく。私の中でストンと何かが纏まった。 これが歳三さんと私の出会い。
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