友人というのは濃いものであるなと俺は感じる

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「あー…。濃い夢だったー」 夢は夢でも衝撃的な夢だったけどさ。 くぁと出そうな欠伸をかみ殺し目を擦る。兎に角、眠ィ…。 俺は朝、苦手なんだよ。 足を引きずるようにして学校に向かう。そういや総司と約束したけど、新撰組ってどうやって捜すんだ? んー。と唸り声をあげて足を動かす。 「おー、沖田ー」 「んー。伊達かー」 後ろから声がかかって振り返ってみると髪をポニーテールにした伊達政だった。ちなみに結構仲がいい女子である。 「お前、ほんっとやる気ねーなァ今日、入学式だぞー」 「あ?マジで」 「…まさか、忘れてたとか?」 「おー」 「うわっ。ありえねェ」 こんな関係である。 この伊達。見た目はどこぞの姫かと疑うほどの美少女なのにいかんせん性格が男前。吃驚するぞー。いろいろと。 てゆーか伊達政とか、もしかしてもしかすると伊達政宗の生まれ変わりとかだったり。…いや、ないな。こいつ今、女だし。いや、もしかしてもしかすると…。 あー、自分が生まれ変わりとか思ったらかなり気になるわ! 「…なー、伊達」 結局、俺は聞くことにする。 「?なんだ?」 伊達が地面の石を蹴った。おー、綺麗に川に嵌った~。…じゃなくて。 「お前さ、もしかして伊達政宗の生まれ変わりだったりするか?」 バサバサバサー。 「えっ?」 伊達が鞄を落として荷物をぶちまけた。おいおい、なんつーありきたりな…って、えぇ! 「だ、伊達…」 「そうか、沖田は気づいていたのか…」 いや。 いやいやいやいやいやいやいや。 え?え? これは、マジで本気で? 「そうだ。俺は伊達政宗の生まれ変わり。今は女になっちまったがなー」 ニヘラと笑った伊達がキラキラ光っていた。 …いや、マジで?
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