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「うわぁー…。…マジで入学式じゃん…」
校門に立てかけられた“入学式”の文字にうざったい気持ちがこみ上げる。
「だーかーらー言っただろ~が!あっ、サボるんじゃねーぞ」
伊達がバシバシと俺の背中を叩いて校舎の中に消えた。痛ェ…。
つか、もっと痛いのは男子の視線だよ。男の嫉妬は醜いぞー。…なんちって。
とりあえず俺も教室に向かうべく欠伸をかみ殺しながらノロノロ歩き始めた。
―――
――――
「だるっ…」
「朝一番にそれとか沖田相変わらず~」
「るせぇ…。前田」
キラキラピカピカ。目の前でヘラヘラ笑う親友(らしい)前田は今日もピアスをぎょうさん(なぜか関西弁)つけている。
「痛くねぇの…?」
「毎回聞くなぁー。それ」
前田は茶髪の髪をガシガシとかいた。すげぇーチャラいよな…コイツ…。
「別にお前にやれって言ってないしさー」
「当たり前だ。やれって言うなら刺し殺す」
「おー。こわっ」
前田はブルリと体を震わせる。別にお茶目な(?)冗談じゃねーか。
「おっ、そろそろ体育館行こか」
「だりぃ…」
「はいはい。行くぞー」
見た目に反して真面目な前田は俺を強制的に椅子から立たされた。
ザワリ…
「?」
「どーした?」
ピタリと止まった俺を不振に思った前田が声をかけてくる。
「いや…別に」
変な胸騒ぎは無視した。
「…沖田、みっけ」
クスクスと笑う小さな声に俺は気づかなかった。
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