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歩くこと十数分、懐かしい景色、小学校の時によくきた場所。 建物だらけの道、そんな中にあるために余計目立つ。 「唯ともよく遊んだなぁ、この公園は変わってない。」 この町にあるただ一つの公園。 今みれば、あまり広く感じないが、子供が遊ぶには十分なものだ。 滑り台が一つ、鉄棒はそれぞれ大きさの違うものが三つ、ジャングルジムに砂場と、何処にでもあるような公園。 横長のベンチが三つ並べてあり、俺は真ん中に座る。 チビッコは滑り台で遊んでいる。 「なんでこんな事してんだろ。」 我ながら面倒見がいいのかもしれないな。 チビッコはさっきから滑っては登るという動作を繰り返している。 飽きないのかねぇ。 周りには他に人はいない、元々この辺りに子供は少ないせいだろう。 「そらー、こっちきてー。」 チビッコは滑り台のうえで、手を振っている。 ゆっくりと腰を上げ、滑り台の方へと歩く。 面倒なもんだな、子供ってこんなに手がかかるのか…知らなかったわー。 「よし、飛ぶから受け止めてな。」 は? するとチビッコは、滑り台の上の鉄柵のうえに立った。 「チビッコ!待て、飛ぶなッ!」 大声で言ったが既に手遅れ、チビッコは俺の真上に向け跳躍した。 ドン! 効果音をつけるなら絶対にそんな感じだろう。 意外にもそんな音はしなかったが…。 重力と共に落ちてきた推定二十キロを、立ったまま受けきる事などできるはずもなく、俺は仰向けに倒れ、チビッコはその上に乗っている。 「おいコラ、あぶねえだろーが!?」 腰は軽く痛むが、意外にも他に痛みは無い。 そして、チビッコは楽しそうに笑っている、怪我はなさそうだ。 「そらーだいじょーぶかー?」 大丈夫じゃねぇよ。 命の危険を感じる、早く逃げなければ。 「もう帰った方がいい気がする、チビッコ帰るか、おまえに決定権は無いけどな。」
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