8/19
前へ
/43ページ
次へ
「そら、みゆそとにいきたい!」 一人称は自分の名前か、まぁそんなもんか。 「外か、ダメだ危ない。まぁ兄ちゃんと呼ぶなら考えるけど。」 「そら、いそげーおいていくぞー。」 な、いつの間に! 既にチビッコは玄関にいた。 またもや撃沈、手ごわい。 チビッコは靴を履きながら、こちらをみて、手招きしている。 「はやくー。」 しょうがない、付き合ってやるか。 女の子のくせに、なんと言う行動力、唯も相当苦労しただろうな。 子供って怖いな、遠慮って言葉を知らないんだろうな。 「空は、まだ知らなかった、このチビがあんなことになるなんて…。」 「なに言うてるん、おいてくぞー。」 ぐッ、一人語りを邪魔すんじゃねぇ、まったく、最近の子供はダメだな。 気だるそうに立ち上がり、玄関で靴をはく。 チビッコはソワソワしながら俺を待っていた。 少しくらい落ち着いてもいいんじゃないかな? 「よし、いくぞーチビッコ。」 「おー。」 左手を上に突き出しながら、チビッコはとても楽しそうに笑っている。 可愛いな、うん。 でも俺はロリコンじゃない、これはわすれないで。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加