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月を撃ち落とせそう、なんて言っていたから、お月様の罰(ばち)が当たったのかもしれない。
その翌日の実技は、射撃訓練だった。
「今日の実技は屋内射撃場なので、各自着替えた後、武器庫で自分の小銃を持って行ってください」
日直がそう皆に声をかけたのを聞いて、僕はお腹が痛くなりそうだった。
射撃の、あの大きな音は未だに慣れない。
でも、それより慣れないのは、射撃訓練の後の分解整備。
小銃を分解して掃除や整備をするんだけど、部品をなくしそうで怖い。
僕らが使っている銃は自衛隊からのお下がりなんだけど、部品をなくしてしまったらその銃はもう使えない。
多分、弁償することになるんだろう。
小銃は高くて、一丁何十万円もするって誰かが言ってた。
だから、部品の紛失が怖くてたまらない。
「ニナイ、一緒に行こうぜ」
遠藤君と眞柴君に声をかけられたので一緒についていく。
更衣室で訓練服に着替える。
僕らの学年カラーは青。
だから、訓練服のカラーも青色だ。
「あー、早く高等部になりたい」
眞柴君が、訓練服を見ながらため息をつく。
「カッコイイよなあ、高等部の訓練服。本物の軍人みたいでさ。学年カラーが青だと、市街戦の迷彩柄みたいなんだよな。それに比べて中等部は……」
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