*89式自動小銃

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月を撃ち落とせそう、なんて言っていたから、お月様の罰(ばち)が当たったのかもしれない。 その翌日の実技は、射撃訓練だった。 「今日の実技は屋内射撃場なので、各自着替えた後、武器庫で自分の小銃を持って行ってください」 日直がそう皆に声をかけたのを聞いて、僕はお腹が痛くなりそうだった。 射撃の、あの大きな音は未だに慣れない。 でも、それより慣れないのは、射撃訓練の後の分解整備。 小銃を分解して掃除や整備をするんだけど、部品をなくしそうで怖い。 僕らが使っている銃は自衛隊からのお下がりなんだけど、部品をなくしてしまったらその銃はもう使えない。 多分、弁償することになるんだろう。 小銃は高くて、一丁何十万円もするって誰かが言ってた。 だから、部品の紛失が怖くてたまらない。 「ニナイ、一緒に行こうぜ」 遠藤君と眞柴君に声をかけられたので一緒についていく。 更衣室で訓練服に着替える。 僕らの学年カラーは青。 だから、訓練服のカラーも青色だ。 「あー、早く高等部になりたい」 眞柴君が、訓練服を見ながらため息をつく。 「カッコイイよなあ、高等部の訓練服。本物の軍人みたいでさ。学年カラーが青だと、市街戦の迷彩柄みたいなんだよな。それに比べて中等部は……」
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