5人が本棚に入れています
本棚に追加
私はその言葉が胸に突き刺さった。
私は…はっきり言って、優しくなんかないし、尊敬されるような人間でもない。
親友の由加ちゃんにでさえも言えない秘密だってある。
「ごめんね、由加ちゃん…。私、そう思われてはいけない人なんだ…」
私は、由加ちゃんに聞こえるか聞こえないか分からない声でそう答えた。
誰にも言えない私の秘密。
誰も本当の私を知っている人はいない。
胸がまたいつものごとく鎖に縛られたかのように苦しくなった。
苦しい…
誰か……
助けて…
私は密かに手を胸に当てながら、校舎へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!