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他愛のない会話。
ただ、それだけの事が幸せで。
『ねえ?…この前の話を覚えてる?』
『さて、何の事だったかな』
暗くても分かる。
きっと、泣きそうになってるんだろうね。
ふわりと風向きがかわる。
ああ、そろそろはじまる頃合いだ。
『僕がいいと言うまで、目を閉じてくれないかい?』
訝しむ彼女を説き伏せると、その目を着物の袖で覆わせた。
さあ、物の怪の神様。
いじわるな僕の贈り物を、彼女へ届けておくれ!
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