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「それ、私の音楽プレーヤー」
「え、あ、ごめん」
椅子に置いてあったから勝手に聴いてしまった。
この子のだったのか。
洋楽が多かったし俺好みのも沢山あったから長い間聴いていたようだ。
イヤホンを抜いて自分のズボンのポケットに突っ込み、音楽プレーヤーだけ返す。
「ごめん、勝手に聴いて」
「別に大丈夫」
放課後の図書室で2人というシチュエーションはドキドキするんじゃないか、とか考えてる俺を尻目に彼女は普通に鞄を掴み教室から出て行こうとした。
俺は多分悔しかったんだと思う、彼女のまるで興味がないとい行動が。
咄嗟に引き留めて、俺の方に顏を向かせる。
肩くらいのボブで猫っ毛なのかフワフワしていた。
「なに?」
訝しげに問われてハッとなる。
何か言おうとして、さっき聴いていた洋楽を思い出した。
「あれ、さっき聴いてた洋楽のCDあるから…聴くかなって」
どうかな、興味持ってくれるだろうか。
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