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やはり周りを気にしているのか、迷惑そうな顔で見てきた。
何でこんな所で声を掛けてきたんだと言わんばかりの表情。
「名前、教えて」
もう一度問えば、これ以上目立ちたくないのかすんなりと名前を教えてくれた。
「梨紗…だけど」
「梨紗、梨紗ちゃんだね」
苗字もこの際知りたかったけど今は名前だけで十分。
でもまだだ、後は二人でいられる状況を作りたい。
「もう、行って良いですか」
つん、とした態度で離れていこうとする梨紗ちゃんの腕を掴み俺の方へと引き寄せる。
「放課後、図書室で」
すぐに腕を離し、周りに怪しまれない程度に聞こえる音量で言い訳をしておく。
急に腕を引っ張ったら怪しまれるしね。
溜息が後ろの方で聞こえたけど俺は楽しみで仕方なかった。
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