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女の子泣かすなんて別れる時くらいしかないけど、まさかこんな事で泣かれるとは思わなくて、とりあえず背中を撫でる事にした。
「ご、ごめん、ちょっと悪ふざけがすぎた…」
俯いて何も言わない姿にますます焦り出す。
いや、だって、ちょっと驚かしただけだし…。
そんな泣く程だったのか?
そっと顔を覗き込むと、彼女は泣いていなかった。
「あれ? 梨紗ちゃん泣いてない?」
困惑した表情で聞くと、梨紗ちゃんはニヤリと笑う。
そんな悪い顔女の子もするんだなんてボンヤリと考えてると頬に痛みが走った。
「いっ…!」
「女性に対して不審者みたいな行動をするからこうなるんだよ!」
「不審者みたいって、驚かしただけじゃ…」
「問答無用! 強引に呼び出したのも怒ってるから!」
グイグイと頬を引っ張られ、梨紗ちゃんの腕を掴んだ。
男女の力の差は歴然としている、梨紗ちゃんが俺に勝てるはずがない。
「ほら落ち着いて、謝るから」
「落ち着いてる。ところで一体何の用だったの?」
体を離され少し寂しい気分になっていると、早くしてと言わんばかりに俺の顔を見てくる。
そんな彼女のつれない態度に俺は振り向かせたくて仕方がなかった。
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