自覚

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「可愛いな! くそ!」 「うるせーな、叫ぶんじゃねぇよ」 昨日の出来事を思い出し、つい叫んでしまった。 周りの女子も自分の事なのかとソワソワしている。 興味があるだけとは言ったものの、あのツンとした彼女の笑顔は下半身にくるものがある。 「何か…可愛い…」 ボソボソと呟いている俺を見て、気色わりぃとあからさまに軽蔑するような目をしながら吐き捨てた友人。 「さっきから何ごちゃごちゃ言ってんだよ、イケメン滅びろ」 「由鶴は口キツいなー」 俺の友人である香坂由鶴(こうさか ゆずる)は勿論イケメンで……って事はなく、普通だ。 正直、格好良い奴が同じ人種と一緒にいる訳がない。 お互い意識して疲れてしまう。 それに比べて、由鶴は口悪いけど気を遣う事がないから気楽。 「口悪いユズでもさー、一緒にいるの楽しいよ」 「やめろ、一部の女子が見てくる」
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