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二人共顔を見合わせて、‥目で話をするように‥頷く。
「おじさん、この手紙は預からせてや‥僕が徳一と二人で暮らせるようになったら読ませてもらいたい。」
「ええよ、ソコまで考えてくれてたんや。ありがと。徳一をホンマに頼む。‥‥一緒に進んでいってあげてや‥」
頭をテーブルにつくぐらい下げる。
「おじさん、止めてや。僕の方こそお願いします。心配かけるけど‥ホンマに認めてくれて、ありがと。」
「‥あのや、恥ずかしから止めへん?なんか、俺嫁に行くみたいやン‥‥」
所在無さげだった徳一が真っ赤になって俯く。
「今更照れんでもええやン。どうせ俺の居らん時に‥」と言い出すと、
「オヤジ!俺らまだなんもしてへん!」
「‥のっ、徳一!」
「へぇ、まだなんや。あんなけ一緒に居って‥なんでなん?」
追い打ちをかけるように尋ねる。
「うっさいわ!訊かんとって。」
「アハハ、義行に頼んどこか?可愛いがっちゃって、って。」
「不良エロオヤジ!ゆうなや。」
いつもより仲のいい二人をみて呆れ返る義行がふと、尋ねた。
「おじさん?この手紙なんやけど、大事な人って普通女の子に書いてあるんやないン?」
心配そに訊く。
「ウーン、大丈夫ちゃうか、お母さんの事やからきっと抜かりはないで。」
「オヤジ‥お母さんとの手紙はこれが最後なん?」
「‥いや、まだ預かってる。成人ぐらいまで、ウーン、その先もあったと思うで‥」
何でや‥と聞き返すと、
「高校入学の時の手紙なんやけど、お父さんを自由にしたってな‥って書いてあったで。」
それを聞いて俺は、
‥なにもかも先輩はお見通しやったんや。
「‥そっかぁ、そんな事書いたぁったか‥」
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