季節外れの‥‥8

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「じゃぁ、お母さんとの約束って‥‥俺の事やったんや。」 「あぁ‥そうや。ひとりぼっちにならんように…俺の望みでもあるんやで。」 「頭ン中ぐしゃぐしゃでわからへんけど、オヤジはそれで良かったン?俺‥‥」 罪悪感で泣きそうな徳一の肩に義行が手を回す。 「徳一‥何度もゆうけど、俺は後悔してへんよ。‥それよりごめんな、こんな中途半端な俺が父親で‥‥」 「そんな事無い。俺幸せやで、オヤジが父親で良かった。自慢のオヤジやン‥」 「ホンマやな。こんなに愛情注がれて、大事にされて‥‥僕もおじさんのようになれるやろか‥‥」 「アカンよ、俺のようには。義行は義行のやり方で徳一と一緒に居っててや‥二人で歩いてって‥‥」 フワッといつもの笑顔でゆう。 「けど、俺いっぱい心配かけた。いっぱいムリさせた。‥ホンマにごめんな。」 髪をクシャクシャッと撫で、 「ハハハ、いつもゆうてるやろ。心配すンのは親の務めや、親は子の幸せ願ってる。ただ、それだけや‥‥せやから、今日は半分肩の荷下りたで‥」 そう言って義行に笑いかける。 「おじさん、肩の荷なんかおりへんよ。僕もおんなじだけ心配かけるから。」 「なんやねんな、倍になるんかいな。」 凄く嬉しそに、笑う。 「まぁ、息子が増えると思たらええかぁ。せいぜい、親孝行してもらおか。」 くわえ煙草でニカッと笑う。 目の前のいつもと変わらぬ楽し気な二人を、肴にビールを飲み干した。
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