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黙ったままだと気不味く話題を探す。
「なぁー、喉乾いたなぁ。お菓子とかジュースいる?」
「おん、欲しい。アイス食べたい!」
横に並んで歩いているので上目遣いになる。
徳一にドキッとしながらも平静を保ち、
「えー、寒いのに?」
「風呂で食べたらうまいやン。」
一瞬固まってしまう。
‥落ち着け、僕。別に深い意味は無いんや、
「なぁー、そこのドラッグストアによろや。」
「へっ?‥」
「やって、コンビニは高いやン。‥‥それに、他にも‥いるやろ?///‥」
真っ赤な顔で僕の手を握る。
少しだけ、汗ばんだ徳一の手が震えていた。
‥そうやよな、我慢してたんも、今、緊張してンも僕だけや無いんや。
「徳一‥ごめんな、僕もっとしっかりするから‥」
そう言って僕は、汗ッかきの左手を握り返した。
「‥‥おん、」
いつもより可愛く見える徳一にドキドキしながら店に入っていった。
店内でお菓子やジュースを物色中の徳一を置いて、僕はこれから使うかも知れない《モノ》をさがしだした。
「決まった?ちゃんとアイスも選んだ?」
僕が居なくなって店内でうろうろしていた徳一に声をかければ、
「義行‥‥どこに居ったん?」
不安な顔で傍に寄ってくる。頭を軽く小突いて、
「何を心配そな顔してんねん。早ょ決めて二人で家に帰ろう。僕の欲しいもんは見つかったし‥‥」
「‥///‥それって、」
徳一の持っていたカゴを持ち、
「先に店から出て待ってて‥僕が買ってくから、なっ。」
フワッと笑うと、
「大丈夫やから、俺恥ずかしないし、義行との事後ろめたいなんて思った事無いから‥‥」
服の裾を掴み、僕の目を見る。
「おん、わかってる。けどな、そうゆう目で僕の徳一が見られるのが嫌やねん。‥‥ごめんな、妬きもち妬きやねん。」
照れて笑うと、わかった‥と言って先に店を出る。
「お待たせ。さぁ、帰ろう。」
手を差し出すと、おん、と僕の右手を握り返した。
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