季節外れの‥‥8

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棒つきのアイスを袋から開けて、 「徳一がお湯かけるから溶けてるやン。」 「えー、丁度食べ頃やン。」 振り向いて笑う。 肩にアイスの雫が落ちる。 「‥冷たァ、‥」 徳一の日に焼けた肌に白く拡がる。 ペロッと、舐めとると 「ハァぁんっ‥‥」 耳まで真っ赤にして食べ終えてくわえてたアイスの棒を落としてしまう。 「止め‥」言いかけた言葉を遮り口を塞ぐ。 「‥ゥんっ‥‥」軽く舌を絡めたキス。 「アハッ、やっぱり徳一は可愛い‥‥いつもと違う雰囲気やし、目なんかトロンとして‥‥」 言い終わるよりも早くもう一度唇を重ねる。 「アッ、‥ン!‥‥アホ‥義行かていつもとちゃうやん‥‥落ち着いてて、余裕の顔して‥ズルいやン‥」 「アハハ、余裕なんて無いや。あったらキスすンのも我慢するよ‥」 耳元で囁き耳を甘咬みする。 「‥アッ、アカンッ‥アイスが、落ちるやろ‥」 クスクス笑いながら、自分のアイスを徳一の口元に持っていき、 「持っててあげるから、食べぃ。」 「‥いやや、義行の分やン。それに、絶対に変な事するやろ?」 「アハハ、変な事って?」 「‥///、」 徳一が可愛いくて、いとおしくて、何度もキスを繰返してしまう。 「んっ、甘ッ‥徳一‥ミルクの味がするよ。」 アイスを一口含み、 「‥ンッ、アッ、‥フゥんっン‥」キスの合間に吐息が洩れる。 口元からは、溶けたミルクが白く滴り、徳一の喉をつたう。 「美味しい?‥」 僕の方に向きを変え両頬を包みおでこをくっ付けながら、 「‥アホ‥いつからそんなに、スケベになったン?‥」 冷たく言い放ちながらも、嬉しそにはにかんでいる。 クスッ、 「知らんかった?‥‥徳一を好きになってからずっとや‥‥。」そう言って、もう一度唇を重ねた。
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