季節外れの‥‥9

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神社で手紙を見たときのように、どうやって帰って来たのかも分からないまま、灯りの消えた部屋の隅で酒を飲んでいた。 手には携帯を握り締めたままだ。 周りには空き瓶、空き缶が転がって部屋の中は月明かり以外何も無い。 アホや‥‥何で、素直になられへんねん。 アイツの泣きそな顔を抱き締める事が出来たら、‥ ‥あったことの無い奥さんなんかに‥‥気ィ遣う事なんかせんと‥ けど、そんな事でけへん。 俺は弱いねん‥何でかわからんけど、 あんな事ゆうつもりやホンマに無かった。 いつまでも信じたい俺がおんのに、‥‥ 裏切られたと思っている俺がおんねん‥ でも好きねん‥しゃぁないねん、憎めるもんやったらとっくの昔に憎んでる。 自分自身を抱き締めるように、膝を抱える。 ‥謝らなアカン‥‥ってわかってンのに 何度も、何度も携帯を開いては閉じる。 差し伸べてくれた手を払いのけたンは‥‥俺。‥ 耐えきれ無い想いで息が出来なくなり嗚咽が溢れる。 時計の音だけが頭に響き、いつもの ‥おやすみ、また明日‥‥ が、聞こえない。 もう、明日は無いんや。 ‥俺は、桜のように枯れてしまうんやろか? アイツへの想いと一緒に‥ ‥このまんま嘆き悲しんで、散って終えるんやったら‥それでもええ‥‥
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