44人が本棚に入れています
本棚に追加
神社で手紙を見たときのように、どうやって帰って来たのかも分からないまま、灯りの消えた部屋の隅で酒を飲んでいた。
手には携帯を握り締めたままだ。
周りには空き瓶、空き缶が転がって部屋の中は月明かり以外何も無い。
アホや‥‥何で、素直になられへんねん。
アイツの泣きそな顔を抱き締める事が出来たら、‥
‥あったことの無い奥さんなんかに‥‥気ィ遣う事なんかせんと‥
けど、そんな事でけへん。
俺は弱いねん‥何でかわからんけど、
あんな事ゆうつもりやホンマに無かった。
いつまでも信じたい俺がおんのに、‥‥
裏切られたと思っている俺がおんねん‥
でも好きねん‥しゃぁないねん、憎めるもんやったらとっくの昔に憎んでる。
自分自身を抱き締めるように、膝を抱える。
‥謝らなアカン‥‥ってわかってンのに
何度も、何度も携帯を開いては閉じる。
差し伸べてくれた手を払いのけたンは‥‥俺。‥
耐えきれ無い想いで息が出来なくなり嗚咽が溢れる。
時計の音だけが頭に響き、いつもの
‥おやすみ、また明日‥‥
が、聞こえない。
もう、明日は無いんや。
‥俺は、桜のように枯れてしまうんやろか?
アイツへの想いと一緒に‥
‥このまんま嘆き悲しんで、散って終えるんやったら‥それでもええ‥‥
最初のコメントを投稿しよう!