季節外れの‥‥10

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その様子を見て、 「気に入った?」 「あぁ、甘さ控えめでコーヒーに合うで。」 「また、持ってくるわ。‥先生美味しそに食べてくれるから、自信がつくねん。」 始終ニコニコして話す。 「いつも助かってます。女子高生のお手製ッてのは、レア度高いから。」 「ウワッ!おっさんやン‥」 「おん、おっさんやで。」 あはは、と大きな口を開けて笑う。 「それはそうと、聞いてええ?先生の好きな人ッてどんな人?」 「‥はぁ?」 「やってな、案外乙女やン‥女の子の気持ちよぉ解って‥やからな、どんなタイプかなって。」 「おっさんに乙女って‥‥ムッチャ変やし‥」 ちょっとリアクションに困っていると、まぁまぁ深い意味はないから、ッて笑う。 仕方なくちょっと考えてから 「そやな、一言でゆうたらタイプなんてあらへんな。好きになった人が好きなタイプになってまうなぁ‥」 「ヤッパ、乙女やわ。‥そや、折角やから先生もチョコ作る?仲直り出来るかもよ。」 わざとらしく目を細め、 「おっさんで乙女で‥オカマッてのはちょっと‥‥それに、フラレたンは決定かいな‥」 「ちゃうちゃう、今は逆チョコとか友チョコとかあんねんで。なんでもアリやン。」 「ハハハー、そやな、ええかもな。けど、お前はどうやねん。‥渡す時に告るン?」 両手でコップを持ってコーヒーに視線を落とす。 「わからへん‥きっとよぉゆわんかも‥けどな、彼のお陰で毎日楽しかったし、人に優しになれた気がすんねん。‥だから、感謝のしるしやな。彼女もええ人やからな、‥もしよかったら、彼女と一緒に食べてもらいたいなぁ。‥」 嘘の無い笑顔で答える。
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