44人が本棚に入れています
本棚に追加
名前を呼ばれて、優しい眼差しが俺に注がれる。
「噛んだらアカンょ‥‥なっ。」昔のように唇をなぞり、微笑む。‥
「ぉん‥」
目を反らせなかった。‥
明日になるまで、昔のようにしてや‥‥それくらいええやろ。だれにも迷惑かけへンから‥
俺も明日にはちゃんと友達としてはじめるから‥‥
そう囁かれ抱き締められたまま、時間なんてなくなればええのに‥‥そんな事を考えてた。
「寒くないか?‥」俺の髪を梳きながら訊く。
「ぉん‥大丈夫や。お前は?‥」
上目遣いで尋ねる。
クスッ、
「その目、アカン‥キスしてしまいそや。」
「なんやねん。ンッふ‥さっきしたやン‥。」
そう言って俺から口元にキスをする。
嬉しそに笑い、耳元で俺の名前を囁く。
また、キスをして微笑み名前を囁く。‥何度も
‥幸せな時間が流れて、
‥離したくなくて
‥切なくて、温もりを感じていた。
‥何度も、何度も、繰り返し、名前を囁く。
‥何度も、何度も、繰り返し、キスを交わす。
‥愛してるから、
‥好きやから。
‥今日だけ、俺のもんで傍に居ってて、
‥明日からは、触れたくてもでけへんから
‥この瞳も、眉も、唇も、耳も、こめかみも、頬も、うなじも、髪も、腕も、手も、指も、全部、今日だけは俺のもんやから‥‥
‥全部、愛してるから
‥全部、覚えていたい。
「‥ンッふ、貴史。‥俺しあわせや‥」
「俺もや‥一裕が腕の中で笑ってて、温かくて、‥‥このまま、拉致りたい。‥ 」
抱き締められる腕に力が籠り、身悶えてしまう。
ええょ、拉致っても‥‥ゆう代わりに、
「ンッ‥キスしてや‥‥あっン、‥」
「‥可愛い、‥一裕 もっと甘えて‥」
「‥イヤ‥や、これ以上は無理‥ンッふ‥」
「ウソや‥‥この口元が甘えてんで‥」
「‥ちゃうから‥‥ンッ‥ハァ‥」
最初のコメントを投稿しよう!