季節外れの‥‥11

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‥しかしまぁ、心配されてもしゃぁないわな。流石に昨夜は、俺らしなかったわ‥‥ 金曜の夜は散々泣き明かしてビールを浴びるように飲んだ。そのまま仏間で倒れ込むように寝てしもたし。 起きて地味に毛布が掛けられていて、しまった‥と後悔した。 「つっ‥‥!」頭が痛くて起き上がれない。 仕方なくボンヤリ寝転んだままでいると義行がスポーツドリンクを持って入ってくる。 「大丈夫?あれからもムッチャ飲んだン?」 心配な顔で温かいおしぼりを手渡す。 「まぁな、‥ありがと。‥‥」 寝たまま瞼におしぼりを当てると涙が溢れてくる。 「クッ‥ウッ‥‥」嗚咽が洩れ、昨夜の事が蘇る。 「おじさん、なんかあったン?‥‥」 「‥なんもな‥い‥から、今日は一人に‥しといて‥や‥‥」 「‥うん。‥何か欲しいもんあったら呼んでや‥徳一も心配してるし。」 「‥ぉん、」 義行は何も聞かずに部屋を出て徳一に、 「おじさん、泣いてるで‥‥」 「‥何でなん?」 「昨夜、帰ってきた時も様子が変やったけど。」 様子を見に行こうとする徳一を止めて、夕方までソッとしておくことにした。 夕方には目を腫らして起きてきた。 「オヤジ‥、大丈夫か?」 「ぉん、悪いけど食べる気せんから‥風呂入って横になる‥」 異様な落ち込み方にかける言葉がない。 「義行、‥」 「僕がダメ元で聞いてみよか‥」 顔を見合わせる。二人とも考えている事は同じで ‥きっと、待ってた人となんかあったンや。 取り敢えず今日1日何も口にしていないのが気になり、おじやを作る。 徳一はうろちょろして、心配気にため息をつく。
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