季節外れの‥‥11

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─────。 もう一度、頭まで浸かると自分を抱き締める。 ‥俺は、まだ嫌われてへんから。  きっと、まだ好きでおってくれてる。 それだけで今は充分や。 風呂から上がりリビングにいくと、ビールとだし巻きが用意されていた。 徳一と義行が話を訊きたくて待ち構えている。 ハァー‥。ため息が出る。 すると、何を勘違いしたのか二人の顔が曇る。 ‥こいつらは、何やねん。 黙ってビールを飲む。このままだんまりを決め込もうと思った時、 「‥なぁ、リングは?」 徳一を一瞥してから 「あ?‥渡した。」なるべく短く答える。 途端に声が大きくなり、 「何てゆうて渡したン?」身を乗り出す。 「チッ‥なんでもええやろ。」 「相手の人は?何て‥」 「ハァ?‥うっさいわ!ほっとけや。」 もうこれ以上はなにも答えないという態度でそっぽをむく。 心配気にいる徳一を見るに見かねた義行が、 「おじさん、うまくいったかどうかだけでも教えてや。」 徳一の横で心配そに俺を見ている。 義行にゆわれると話せなしゃぁない気になる。 少し考えてから、 「‥せやな、これからかな‥‥ 取り敢えずは逢おうと思えばいつでも遇えるし、話訊いてもらえんでもええわ。‥ 待ってた分が長かったから苦にならん。‥ ゆっくり始めよか‥‥ってな‥」 安心したように、ニッコリ笑って、 「ソッかぁ、よかった。‥やっぱり相手の人もおじさんの事待ってたンや‥‥ これからなんやね。‥」 「‥ぉん‥、まぁ、また泣かしてしもたけど、今回は二人で話した結果やから‥‥」 そう言って目を閉じると、自分の腕に暖かさを感じる。
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